ねこブームがすごいらしいね。ペットショップで数十万円もするねこがどんどん売れてるみたいだ。可愛がってくれるだろうけど、どうせなら、保護ねこにしてほしいね。
ネコノミクス
ネコノミクスとは、安倍内閣の経済政策「アベノミクス」になぞらえて、2015年ごろからの空前のねこブームに乗って使われ始めた造語です。
大もとの「アベノミクス」はあまりうまくいったとは言えませんが、ねこブームは衰えることなく「ネコノミクス」は大きな経済効果を生み出しています。
ネコノミクスで2兆円超
一般社団法人ペットフード協会の調べでは2021年10月現在、全国の犬の飼育頭数は約991万7000頭、ねこは約987万4000頭で、ねこの飼育数が犬の飼育数に迫る勢いとなっており2022年にはねこの飼育頭数が犬の飼育数を逆転するものと思われます。
さらに、ねこが登場する映画、ドラマ、CMが急増し、キャットフード、医療費、関連グッズの消費、ねこカフェやねこで有名な観光地が旅行者を集めたりと「ネコノミクス」が生み出す経済波及効果は、なんと2兆を超えさらに増え続けているそうです。
なんと、過去最高を更新した日本のアニメ関連の市場規模(2兆7千億円)に近づいているそうですから驚きですね。
ねこブームの背景
その勢いは今も続いているんだそうですから驚きですね。こうしたねこブームの背景にあるのは、高齢者の増加や一人暮らし世帯が増えたこと、コロナ禍での生活環境の変化などで、世話のかかる犬よりもねこに人気が移行し始めたからかもしれませんね。
でも、安易な飼育はダメ
ねこブームもネコノミクスもいいでしょうけれども、忘れてはいけないことがあります。ねこも当然ながら人間と同じ生き物です。ペットとして飼い易いとはいえ、「癒し」や「かわいさ」だけで安易に飼うことは許されません。
一緒に生活する以上、食事の世話をしたり、健康を管理したり、病気になれば病院へ連れて行かなければならないという義務があります。
つまり、生涯を共にする家族であるという覚悟が必要です。その覚悟がないままペットブームに乗ってその場の感情で飼うのはやめてほしいです。
殺処分を止める
ブームの裏では年間に97,922匹ものねこが施設へ持ち込まれ、約79,745匹ものねこが殺処分されているという現実もあります。しかも、そのうちの12,197匹が飼い主からの持ち込みだというのです (環境省・2017年度の統計)から。
ねこに限らず、ペットを飼いたいと考えている人には、そういったことも踏まえてほしいし、決して安易な気持ちで飼育を決めないでください。
また、犬もねこも、もしも飼うのであればできれば保護された犬、ねこを選んでほしい。そして、生涯を終えるまで家族としての愛情をかけてほしいと心から思い願っています。
ねこブームで広がる遺伝性疾患
今までは、ねこを飼おうと思えば、近所で生まれた子ねこをもらったり、野良ねこを拾ってきたりというのが普通だったのですが、空前のねこブームから純血種のねこをペットショップで買うという人たちが増えています。
その結果として、純血種の繁殖にともなう遺伝性疾患の蔓延(まんえん)という懸念が広がっています。
子ねこのうちに遺伝子検査
遺伝性疾患の中には有効な治療法がなく、発症した猫の多くが4歳程度で死んでしまうといいます。
ペルシャ(有病率67%)、最近ではアメリカン・ショートヘア(同42%)スコティッシュフォールド(同48%)は特に発症率が高く発症すると根治は困難で、人気ねこ種のスコティッシュフォールドでは、すべてが骨軟骨形成不全症を発症しているとされます。
ねこの遺伝性疾患は、原因遺伝子を遺伝子検査で見つけることができるので、純血種を迎え入れる場合は、子ねこのうちに遺伝子検査を行うことが必要と思います。
早めに見つけてしっかり対応することで、将来にわたってのリスクを軽減することができます。
詳しくは下の写真をクリックしてください。
コメント